日高川町の中津中学校では、生徒たちがアメリカテキサス州の中高生たちと文通を通じて交流を深めている。現在、全生徒47人が互いのペンパルと手紙を交換しているが、4日にそのペンパル15人が同校を訪問。生徒たちは初対面に大喜びで、英語と日本語を交えながら楽しいひとときを過ごした。文通は英語力の向上への取り組みで、ペンパルとの会話も緊張することなく堂々としていた。初対面だったが、文通を通じてすでに心が通い合っており、一層友情を深めたようだ。
 学校には、ペンパルから届いた手紙が展示されている。自己紹介に始まり、暮らしている町のこと、頑張っていること、アニメが好きなことなど写真やイラストを添えてつづり、「町を訪れることがあったら一緒にコンサートに行こう」との文もあった。学校で学んでいるとはいえ、アメリカの生徒にとって難しい日本語。ひらがなにカタカナ、漢字も交えてとても丁寧に書かれ、一文字一文字から日本の大切な友達への思いが伝わってくる。
 筆者も20代の頃、大学時代の後輩と文通をしていた。ドラマをまねてやり始めたが、相手のことを考えながら書き、手紙が届くのを楽しみにしていた。多くの人がしているメールは便利だが、用件だけ伝え、文面がコンパクトになりがちで、誤解を招いたり、間違ったニュアンスで伝わることも少なくない。何より温かみに欠ける。その点、手紙は速報性で劣るが、一文字一文字からは相手のことを思い、自分のことを思ってくれているという温かみが満ちあふれている。文字を見ただけで相手の気持ちまで分かることもあるだろう。ネット全盛の時代に、両校の子どもたちにとってとてもいい取り組み。卒業してもずっと続け、友情をつむいでいってもらいたい。(昌)