地球の裏側で盛り上がっているワールドカップサッカーブラジル大会も、いよいよベスト8が出そろった。日本代表が予選リーグで敗退したため、国内での盛り上がりはいま一つだが、ファンにはたまらない試合がこれから繰り広げられる。世界最高峰のプレー、国の威信とプライドをかけた戦いは、ファンでなくても見応えがあるはずだ。注目の優勝争いは、ホスト国ブラジルか、前回大会から4年後の優勝候補に挙げられていたドイツか、勢いに乗るオランダ、フランス、個人的には子どものころから好きなアルゼンチンに期待している。
 小学生か中学生の頃だったか、アルゼンチンのスーパースターであるマラドーナとコンビを組んでいたストライカー・カニージャのかっこよさに惹かれたのを覚えている。金髪のイケメンで、ゴールを決める姿は純粋に憧れた。スター選手の存在は子どもたちに夢を与え、競技人口のアップに欠かせないだろう。Jリーグがスタートして20年、サッカー番記者として多くの小学生を取材する中で好きな選手を聞くと、メッシやネイマールなどほとんど外国人選手の名前が上がるのは少し寂しいが、競技人口を確保しているという点では大きな意味がある。
 サッカーはまだいい方で、小学生のスポーツ競技人口そのものが少なくなっている。少子化以上に問題なのが、景気だろうか。共働き世帯が増え、スポーツをやらせたくても送り迎えができない、そんな家庭は筆者の周りにも少なくない。競技人口が減れば将来のプロスポーツの実力に影響を与えるだろう。サッカー日本代表の敗戦にあれこれいうのもいいが、将来の日本のスポーツ界のためにも目に見える景気回復を願わずにはいられない。 (片)