「手づくりの梅干しありがとう」。児童会で作った梅干しを東日本大震災被災地へ贈ったみなべ町の岩代小学校(吉水章夫校長)に、お礼の手紙などが届いた。「おいしかった」など感謝の言葉と心温まるメッセージがつづられており、吉水校長は「手紙を読んで児童らも喜んでいる。今後も交流を続けていきたい」と話している。
 昨年度の梅学習の一環で作った梅干しで、収穫して塩漬けし、夏には天日干しにしてシソ漬けの梅干しに仕上げた。児童会では「困っている人に提供したい」と東日本大震災の被災地に贈ることを決め、ことし2月に地元農家の森川元樹さんを通じて宮城県東松島市の宮戸小学校に届けた。4月には紀州梅の郷救助隊に依頼し、気仙沼市の仮設住宅に子どもたちのメッセージを添えて贈っていた。
 宮戸小学校全校児童23人からの手紙には「大きな梅干しをくださってありがとう」「酸っぱいけど、おいしく食べました」などとメッセージ。「元気いっぱい宮戸っ子」というタイトルで、学校の様子や梅干しを給食で食べている光景を写した写真パネルも添えられていた。
 気仙沼市の仮設住宅に住んでいる2人の被災者からの手紙には、震災当時の様子やその後の生活などを交えながら「おいしい梅干しをありがとう」などと感謝の言葉がつづられている。手紙や写真パネルは同校1階の職員室前の掲示板で紹介されている。吉水校長は「自分たちでつくった梅干しが喜ばれ、役に立ったと実感することができたのではないか」と話している。
 岩代小学校ではことしも梅干しづくりに取り組んでおり、先月末には梅を収穫して塩漬けにしている。今後は天日干しなどの作業を行う。