早期発見が難しく、難治がんの一種とされる膵臓がんに理解を深めてもらおうと、和歌山市の県立医科大で14日、市民公開講座「パープルリボンセミナーin和歌山」が開かれた。
 11日から3日間、和歌山県で初めて開かれた日本肝胆膵外科学会・学術集会に関連する一般向け講座で、同学会・学術集会とNPO法人パンキャンジャパンが主催。「膵臓がんに光をあてる」をテーマに定員を大きく上回る約400人が集まり、和歌山県立医科大外科学第二講座の廣野誠子助教、九州国際重粒子線がん治療センターの篠藤誠氏らが講演した。
 最先端医療として注目される重粒子線治療の現場で治療にあたる篠藤氏は、重粒子線の特性を説明し、「重粒子線はX線や陽子線よりもさらにピンポイントでがん細胞だけを狙い撃ちにでき、転移のないがんには威力を発揮する。しかし、転移がある場合は手が出ず、胃や腸など消化器のがんには使用できない。手術ができる患者さんは手術を優先した方がよい」などと話した。