通常の南高梅よりも高値で取り引きされる紅南高の栽培方法を広めようと、県やJA紀州主催の講習会がみなべ町西本庄の梅畑で開かれた。直射日光が当たることで果実の赤みが増すことから、県うめ研究所の職員らは光を遮断させないように摘葉処理方法をアドバイスした。
 紅南高は、南高梅の果実に光がたくさん当たることで紅色に着色した果実。赤く色付いた部分が5割以上を超えた果実については「紅南高」として、加工せず青梅出荷する。外観の美しさや希少価値から、市場では通常の南高梅の2倍以上で取り引きされる。
 県うめ研究所では以前から紅南高の栽培をマニュアル化し、摘葉処理することで紅南高の生産量がアップしたデータなどをまとめていた。機能性についても、紅色着色した果実はポリフェノールや抗酸化能の含量が高まるという。
 講習会は、春先に梅の新梢を摘み取る摘心処理のモデル園を行っている谷本隆夫さんの梅畑で開催され、農家から15人が参加。県うめ研究所の行森啓主査研究員が作業の説明に当たり、「果実が付く結果枝周辺の葉を農業用の電動バリカンで取り除いたあと、細かな部分は手でちぎって果実への日当たりを良くする」と方法を指導した。参加者らは「通常よりも高値で取り引きされる紅南高は魅力。収入をアップさせるために、量産に取り組んでみたい」と話していた。