1カ月ほど前、実家の近くの空き地で重機が入って作業が始まったので誰かが家を新築するのかと思っていたが、最近近くを通ると太陽光発電のパネルが設置されていた。2年前から再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートして以降、太陽光パネルはいまも増え続けている。原子力や火力発電のように危険性や環境への負荷がないクリーンエネルギーで、もっともっと普及するのがベストだろう。災害時の電力確保が家庭でもっと容易になるように、蓄電技術を高めてくれることも期待している。
 6月5日は環境の日で、6月は環境月間。太陽光をはじめ風力、水力、地熱を使った発電は環境面だけをみれば素晴らしい技術だが、自然が相手だけに十分な電力を安定的に供給できるまでには至らず、原子力や火力発電の分まで賄うのは現時点では難しい。原子力はクリーンだが、安全性に不安があるのは当然。だからといってこのまま火力発電を続ければ、地球温暖化対策に逆行する。ではどうすればいいか、そんな議論も最近はTPPや集団的自衛権の話が先行して下火になっているのが気がかりだ。
 環境問題は当然、エネルギーだけのことではない。環境破壊、環境汚染など人々の生活に密接に関係している。ポイ捨てしたゴミ袋が川から海に流れ、エサのクラゲと間違えて食べたウミガメが死んでしまうということは稀ではない。人の何気ないマナー違反が生態系をも破壊してしまうことにつながることを認識しなければならない。環境を守ることは人間の生活、動物や植物の生態系を守るということだ。そういうことを踏まえ、我々がしなければならないことは何か、この機会に一人一人が考えなければならない。 (片)