空手のオリンピック正式種目化を目指し、国内236の団体が大同団結したJFKO(全日本フルコンタクト空手道連盟)が主催する第1回全日本選手権大会が17、18の両日、大阪市中央体育館で開かれ、新極真会和歌山支部御坊道場の前田優輝選手(22)=美浜町和田・二段=が中量級で優勝。優輝さんの弟の勝汰選手(20)=二段=も軽重量級で3位に入り、兄弟そろって前評判通りの活躍をみせた。
 JFKOは直接打撃制空手の新極真会、極真会館など国内の各団体が団結し、昨年3月に発足。オリンピックの正式種目化を目指して初の統一大会となる今回は、2日間で1万人の観衆を集め、JFKOの緑健児理事長の友人でミュージシャンの長渕剛がライブで花を添えた。
 男子中量級(65~74㌔)は83人が出場し、第1シードの優輝選手は持ち前のスピードとスタミナで相手を圧倒、得意の後ろ蹴り、突きで順当に勝ち上がり、決勝は同じ新極真会の佐賀筑後支部に所属する河瀬俊作選手(22)と対戦。河瀬選手は昨年の全日本ウエイト制大会軽量級を制した実力者だが、優輝選手は手数の多い相手の先手を止める狙い通りの試合運びをみせ、2分間の本戦判定は5―0の完勝で見事、JFKOの初代王者に輝いた。
 新しく設定された軽重量級(75~84㌔)には54人がエントリー。第4シードの勝汰選手は体重が75㌔、このクラスでは最も軽かったが、圧倒的なスタミナ、強力な突きの連打で勝ち進んだ。準決勝は昨年の無差別全日本2位の第1シード、加藤大喜選手(新極真会愛知山本道場)と対戦。本戦判定は2―0で優勢ながら3人が引き分けとし、延長戦は全員が引き分けで最終延長にもつれ込み、勝汰選手は突きの力を出し切れず、惜しくも1―4の判定で敗れた。
 女子重量級では、新極真会和歌山支部所属で、前田兄弟と一緒に練習している横山紀子選手(22)=岩出市・初段=が3位に入賞。
 優勝した優輝選手は3月に大学を卒業し、現在は印南中学校の教員として勤務。大会を振り返って「初日は課題としていた積極性が足りなかったが、2日目は少しずつ修正でき、決勝戦は思い通りの試合ができた。いつも応援してくれる人に(優勝という結果で)恩返しができてうれしい」と語り、学校の生徒にも「何でも一生懸命頑張れば、結果はついてくるということを伝えたい」と笑顔をみせた。