住宅用火災警報器の設置が義務化されて今月末で丸3年になるのを前に、御坊市消防が市内の設置状況を発表した。設置率は82.3%で、全国平均の79.8%を上回った。同消防では設置率向上へ24年から高齢者宅への訪問指導を展開しており、これまで2000軒以上で実施。地道な活動で未設置だった世帯の約3割が設置するなど大きな成果を上げており、設置率100%目指して今後も継続していく。
 消防法の一部改正により、平成23年6月1日から一般家庭への住宅用火災警報器の設置が義務化された。同消防では義務化前から設置率を高めようとさまざまな啓発活動を展開。義務化後の24年1月からは市内の65歳以上の高齢者世帯約2700軒の個別訪問をスタートした。2年余りかけ、市の事業で設置済みの市営住宅などを除いた2163軒をことし2月末までに一巡。訪問したが不在や空き家だった573軒を除いた1590軒でみると設置世帯1182軒、未設置は408軒で設置率は74.3%。設置世帯のうち、最初は設置していなかったが訪問して指導した結果、取り付けてくれた世帯が全体の約30%の200軒余りに上り、顔を見せて地道に啓発することの大切さを示した。ただ、設置世帯の中には本来は寝室など3カ所に必要だが2カ所にしかついていなかったなど不完全な世帯も含まれており、これからすべての世帯への設置を促していく。
 火災警報器は、住宅火災での死亡原因の6割を占める「逃げ遅れ」を防ぐために有効で、全国的には就寝中に警報器が鳴って目が覚め無事避難できたケースが1000件以上、近隣住民が音に気付いた事例も2000件以上報告されている。同消防では全世帯への設置を目指して今後も不在や未設置だった高齢者宅を中心に、さらに一般家庭へも範囲を広げて訪問指導を続けていく。同消防の本田敏文予備課長は「自分自身や大切な家族を守るために早期設置を促していきたい。維持管理も大切で、そろそろ電池切れする可能性もあるので、一度点検してあらためて防火意識を高めてほしい」と呼びかけている。