昨年11月から国際宇宙ステーションに滞在し、日本人として初めて船長を務めた宇宙飛行士の若田光一さんが14日、地球に無事帰還した。 宇宙ステーションでの半年間の任務ではさまざまな業績を残した。日本などが開発した超小型衛星の放出や高感度カメラを使ったすい星の撮影、そして何より、船長として他のクルーのまとめ役を務めたことは、日本人にとって大きな誇りである。そんな業績の中で筆者が興味を引いたのは、乾燥して休眠状態に入った昆虫の「ネムリユスリカ」の幼虫が、宇宙空間で水を与えれば蘇生が確認できたこと。乾燥させた幼虫は宇宙に運び出しやすく、扱いも簡単ということで、将来的に宇宙基地で魚を養殖する際に生きエサとしての利用も考えられる。それはそれですごいが、驚いたのは昆虫の生命力。人間で例えるならば干からびたミイラに水をかけると蘇生するようなものである。
 そんな驚異的な生命力があるからか、昆虫には宇宙人説がある。宇宙で生きられるなら、隕石か何かに付着して地球にやってきたのではないかという話である。確かに昆虫の気持ち悪い外見は地球上のものとは思えない。カマキリなんてもはやエイリアンである。実際、昆虫はある時期に突然地球上に誕生したとされ、生き物の中では唯一、手以外の部分が羽になっており、他の動物と進化の過程が違うという指摘もある。ちなみにこの説には否定的な意見も多く、一般的には進化論の中で昆虫の誕生も説明されている。いずれにしてもこういった昆虫の進化や生命力を解明することが、人の医療などに役立つかもしれない。宇宙に挑んだ若田さんが、また新たな夢と希望を与えてくれたような気がする (吉)