日ごとに年の瀬の慌ただしさが増すなか、御坊市薗の小竹八幡神社(小竹伸和宮司)に13日、来年の干支の午(馬)を描いた大絵馬が奉納された。氏子の会社員木村洪平さん(49)が描き、平成14年の午から初めて2巡目に突入。「神様に奉納させていただく絵馬ですので、やさしく穏やかな親子の馬を描きました」という。
 大絵馬の奉納は、木村さんの大叔父で、元御坊市教育委員の山中襄さんが同神社遷宮300年の昭和52年から始めた。その後、木村さんの父で御坊市教育長を務めた靖夫さんが引き継いだが、靖夫さんが病気で亡くなったため、平成14年の午から洪平さんに絵筆が受け継がれた。
 今回は前回とは逆に、「ひだりうま」と呼ばれる右向きの白馬の親子。「うま」を逆さに読むと「まう」となり、めでたい席の舞を思い起こさせる縁起のよい文字といわれていることから、言葉と同じく左から右向きに歩く馬を描いたという。
 絵馬の祈祷のあと、工作を担当した御坊市薗の塩﨑建築代表、塩﨑弘直さん(51)の手で本殿わきに設置が完了。木村さんは「黒い馬は雨、白い馬は晴れ間を呼ぶともいわれ、明るい新年を願って描きました。13年前の馬と比べて、少しだけ画力が上がったかな」と笑顔、小竹宮司(44)は「毎年、木村さんの新しい絵馬を見て師走を実感します。今回もすばらしい絵を描いていただき、ありがたいです」と話していた。