みなべ町などの梅産地関係6市町村と関係機関で構成する紀州梅の会(真砂充敏会長)などは梅の疲労回復効果を生かしたスポーツ選手向けの梅干し「ウメパワプラス」を開発した。各種マラソン大会に出場したランナーの声を反映した商品で、運動中にも手軽に補給できるようにと種を抜いているのが特徴。15日から製造各社で販売を開始する。
 梅の機能性が科学的に実証され、中でもクエン酸は疲労回復に優れた効果を発揮することが分かった。県と紀州梅の会は平成24年度からクエン酸の持つ機能性をスポーツ選手向けの商品開発に活用できないかと、「ランナー×紀州南高梅プロジェクト」として取り組みを始めた。昨年からことしにかけて東京の国立競技場など6会場で開かれたマラソンイベントなどで参加したランナー延べ5140人を対象にアンケートを行い、味の好みやパッケージデザインなどを調査。支持が高かった白干し、はちみつ、トマトの3種類をベースに減塩や乾燥させた干し梅など10種類を商品化した。パッケージにはクエン酸を数字の「93」と表して「+」のマークを入れた。価格は190円から500円。商品は紀州梅の会に加盟している加工業者で製造、販売する。パッケージは共通となっている。スーパーなどのほか、スポーツ用品店やランナーステーションでも取り扱ってもらえるように働きかけていくことも検討しているという。15日には東京国立競技場で開催される「ランネットコーポレーション駅伝大会」で試食と販売を行う。真砂会長は「27年度には県で国体が開催され、7年後には東京オリンピックも開かれる。スポーツと梅を結びつける絶好の機会ととらえ、産地と一丸となって梅のPRに取り組んでいきたい」と話している。問い合わせは紀州梅の会事務局の田辺市梅振興室℡0739―26―9959。