全国47都道府県の道の駅に大手自動車メーカー日産自動車㈱(横浜市本社、カルロス・ゴーン社長)が電気(EV)自動車と電力供給システムを無償で提供する「道の駅EV活用プログラム」で、県内から日高川町船津の道の駅SanPin中津が選ばれた。施設は災害時の停電にも対応できるようになり、防災拠点としての機能性が向上、環境に優しいまちづくりにも期待される。10日午前11時半から同社や町関係者ら出席のもと設置式が行われる。
 日産のプログラムでは、災害時の対応や低炭素社会の実現、地域産業や観光振興などに貢献しようと全国の自治体に公募。47都道府県各1カ所、計47カ所の道の駅が選ばれ、電気自動車「日産リーフ」と電力供給システム「LEAF to Home」1セットずつを提供している。
 リーフは大容量の24㌔㍗アワーのリチウムイオンバッテリーを内蔵した電気自動車で、フル充電で約130㌔の走行が可能。一般家庭で約2日分の電力に対応できる。リーフを電力供給システムに接続することで、リーフに貯えられた電力を道の駅に供給できるようになり、災害時の停電や非常用電源として活用できる。通常時は、産品の集配やイベントなどに利用する。
 パワー電力供給システム「LEAF to Home」は道の駅の西側に設置。町内で初めての一般開放の充電ステーション(充電場所)で、リーフの場合だと家庭用の半分の時間に当たる約4時間でフル充電が可能。システムは道の駅利用者や町内宿泊施設利用者を対象に開放することにしている。
 事業費はリーフが378万4200円、電力供給システムと工事費が92万2950円(いずれも税込み)。
 日高川町では、バイオマスエネルギー事業を展開しているほか、本年度中に日高川交流センターに太陽光発電施設と蓄電池を設置することにしており、環境に優しい町づくりと災害時の防災拠点としての機能性の向上に努めている。