連日の猛暑にうんざりだが、筆者が子どものころの夏休みといえば午前中の少年野球の練習が終わったあとは、目の前を流れる日高川へ友人と泳ぎにいった。旧美山地区の話で、他にすることもないためほぼ毎日、真っ黒に日焼けしていた。
 流れや岩がある川は、プールと違って危険はあるが、楽しさもある。深い場所で川底まで石を拾いにいく競争をしたり、橋のピーアから飛び込みしたり。水中メガネをかけて潜ればコイ、アユ、ハイ、ウナギ、テナガエビなど色んな生き物も発見できた。中でも大きなタイヤのチューブにみんなで乗って数㌔下流まで川下りするのは楽しかった。途中で激流もあってスリル満点。サンダルを流してしまい、帰り道はみんな裸足で、焼けるようなアスファルトの上を飛び跳ねるように歩いてきたのもいい思い出。
 園児の時から日高川に親しんでいると、川の水を飲んでしまったり、足がつったりしても慌てることなく、対処できるようになっていた。最近の子どもたちはいまでも川に泳ぎにいっているのだろうか。県外のキャンプ客はよく見かけるが、地元の子どもたちはどうなのだろう。スポーツや習い事、テレビゲーム、パソコンなど、やることが多様化している中で、川遊びに興味がある子どもは少なくなったように思う。
 しかし、大層な話かもしれないが、筆者らの時代は川遊びを通して、知らず知らずのうちに水の怖さや日高川の恵みを感じ取っていたのかもしれない。去る1日の市水辺教室では子どもたちが生き物を採取して日高川の水がきれいなことを確認していたが、こういう方法で日高川に親しむのもいい。この夏、くれぐれも水難には注意して、清き流れの日高川へ子どもたちを連れていこう。(吉)