第95回全国高校野球選手権記念和歌山大会は27日に決勝が行われ、箕島が29年ぶり8回目の優勝を飾った。春夏合わせて計4回の全国制覇を成し遂げた名門、箕島には日高地方から髙川進投手=3年、日高川町=がベンチ入り。準々決勝の那賀戦で1失点完投勝利を収めるなど夢の甲子園出場に大きく貢献した。同日、愛媛大会では済美の太田裕也選手=3年、印南町・御坊ジュニアタイガース=、翌28日には、大阪大会で大阪桐蔭の主砲近田拓矢選手=3年、日高川町・同=も甲子園出場を決めた。
 和歌山大会決勝戦。エースナンバー「1」を背負う左腕、髙川投手は登板機会はなかったものの、中盤からはブルペンで投球練習。ナインの戦いを見守りながら先発、須佐見投手の救援に備えた。今大会は、大会2週間前の練習試合で左ひじを痛めたため、投げ込み不足から本来の調子が出ない中、2試合に出場し活躍。初登板となった2回戦の和歌山西・和歌山北戦では1イニングを無失点。那賀戦では、伸びのある直球にカーブ、スライダー、スクリュー、フォークなど多彩な変化球を交えた打たせて取る投球で、散発6安打1失点に抑える好投を見せた。打っては4回に中前適時打を放ち、投打にわたりチームの勝利に貢献した。優勝に「甲子園は小さいころからの夢だった。箕島に来てよかった」と笑顔。「今大会は須佐見に頼ってばかりだった。甲子園では打たせて取る投球で、須佐見を援護したい」と抱負。翌日、甲子園出場を決めた大阪桐蔭の近田選手は、小学生時代に川辺西ビクトリーズでバッテリーを組んだ球友。「甲子園の舞台で、近田君と対戦したい」と闘志を燃やした。
 センバツ準優勝の済美は、愛媛大会決勝で今治西を5―2で下し5年ぶり4回目の優勝。太田選手は三塁5番で出場。初回2死一、二塁から先制となる左前適時打を放ち、チームに試合の流れを呼び込む活躍を見せた。昨夏全国優勝の大阪桐蔭は、大阪大会決勝で履正社を5―1で下し2年連続7回目の優勝。近田選手は一塁4番で出場し、3回2死一、三塁で中前適時打。7回にも左越えの豪快な二塁打を放ち勝利に貢献した。第95回全国高校野球選手権記念大会は8月8日に開幕。髙川、太田、近田の3選手の活躍に期待がかかる。