平成18年9月に上映された映画『フラガール』  不況に陥った炭坑町を盛り上げるために計画されたレジャー施設誕生にまつわる物語。施設の目玉、フラダンスショーを成功させるために奮闘する人々の姿が描かれており、松雪泰子や蒼井優らが披露する魅惑的なダンスも見どころ。石炭から石油へと激動する時代を駆け抜けた人々の輝きをダンスを通じて描写し、多くの人々の感動を呼んだ。
 この映画の基となったのが、福島県いわき市のレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」。施設のフラダンスチーム「フラガール」のメンバー3人が日高川町の中津小学校を訪れた。「フラガールきづなスクール」と名付けた出前授業の一環で、フラガールたちは優雅な踊りを披露。児童もフラダンスを体験した。
 フラガールたちの施設はおととし3月の東日本大震災で被害を受けた。フラガールたちは踊る場所をなくしたが、福島の元気と笑顔を届けようと営業再開の10月まで全国(韓国含む)125カ所を巡り247公演を行い、踊り続けた。出前授業は今春から始まり、フラガールたちは、全国各地の子どもたちにフラダンスの楽しさと、震災の体験や復興の様子など伝えている。中津小では「何ごとも命があってこそできる。夢をあきらめないで」、「助け合えばどんな困難も乗り切れる。みんなも手を取り合って」と呼びかけた。子どもたちは、常夏を感じさせるフラガールのダンスに魅了され、実際に踊っては恥ずかしがり戸惑いながらも笑顔いっぱい。たくさんの元気をもらい、震災の体験談からあきらめない気持ちや支え合う心、家族や友達の大切さを胸に刻んだ。いつまでもこの日学んだこと、ときめきを胸に留めておいてほしい。     (昌)