東日本大震災で被災した福島県いわき市のレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」のダンシングチーム「フラガール」のメンバー3人が3日、日高川町の中津小学校(玉置智一校長)を訪れた。全国学校キャラバン「フラガールきづなスクール」と名付けた出前授業の一環。フラガールたちは、フラダンスを披露するとともに、震災の体験や復興の様子など児童に話し、あきらめない気持ちや支え合う心、家族や友達の大切さを伝えた。
 キャラバンは、施設を運営する常盤興産の主催。「イムア(ハワイ語で前進)・未来へ~ネバーギブアップふくしま~」をテーマにことし4月から始め、全国各地で出前授業を行っている。中津小は8校目で、関西では2校目の開催。
 この日の授業には3・4年生児童39人が参加。石井美子さん、浜津奈苗さん、賀澤教子さんのフラガール3人がハワイの衣装「ムームー」姿で登場し、オリジナル曲「アイナ(ハワイ語でふるさと)ふくしま」、施設が舞台となった映画「フラガール」の主題歌に合わせて優雅なフラダンスを披露した。フランダンスの振り付けも指導し、児童らは腰を左右に振ったり、投げキッスのポーズに恥ずかしがって戸惑いながらも、一緒に踊って楽しんだ。
 フラガールは、震災で施設が被害を受け、営業中止の間も全国各地でフラダンスを上演。賀澤さんは「震災時、フラガールの友達が避難場所を与えてくれたことにとても感謝しています。何ごとも命があったからこそできる。夢をあきらめないで」、浜津さんは「スタッフら周りの人たちのおかげで踊ることができた。みんなで助け合えばどんな困難も乗り切れる。みんなも友達と手を取り合って頑張ってほしい」と呼びかけた。福島の子どもたちから全国の子どもたちに向けたビデオレターもあった。
 児童は頑張っていること、頑張れる理由をを発表し、代表の森圭佑君(4年)が「この中津地域もおととし9月に台風12号豪雨で大変な被害を受けました。今日のダンスからたくさんの勇気や、〝頑張ろう〟〝あきらめない〟という気持ちをもらいました。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。