日高川町議会6月定例会は20日午後再開。一般質問を行い、市木久雄町長は、高校生まで医療費無料化など公約に掲げている施策の財源について、「町長をはじめとする特別職3役の報酬カット、各種イベントのあり方の見直しなど行政改革による財源の確保、1億円余りの留保財源(本年度の政策的財源)をもとにする。できるのものから順番に9月補正予算へも計上したい」と説明、公約実現に向けて意欲を示した。
 財源について質問したのは井藤清議員。市木町長が公約に挙げている▽高校生までの医療費無料化▽小中学校の給食費無料化▽学童保育の対象拡大▽産業振興における燃料費高騰分の助成▽払い下げを前提とした若者定住専用住宅・単身シェアハウスの建設▽小熊地内への防災センター設置・避難場所の確保▽上下水道の耐震化の推進――の7項目でそれぞれ内容と試算額、財源を質問。「公約は30項目ほどになるが、28年度から交付税の算定替えが始まり、5年間で10億円前後減額されるため、財源がどこから出てくるのか不安を感じる。民主党政権も財源は事業仕分けや埋蔵金を利用すれば20兆円はあるとバラ色の公約をしていたが、現実には何もできなかったに等しい。財源を明らかにしてほしい」と説明を求めた。市木町長は「年間、高校生までの医療費が約300人で約300万円、小中学校給食費が854人で4200万円」などと無料にした場合の試算を公表。規模など今後十分な協議を必要とする防災センター建設をはじめ、学童保育の対象拡大、上下水道の耐震化などは補助金なども活用して捻出する考えを示し、燃料費高騰分の助成、若者定住専用住宅については具体的な財源は明らかにしなかったものの「町単独事業として考えている」と意欲を見せた。これに対し、井藤議員は「公約を実施するには私の試算では、年間約2・3億円かかる。算定替えによる厳しい状況も視野に入れた上で、ぜひ事業仕分けなどによる行財政改革で無駄を見直し実施していただきたい」と述べ、市木町長は「私も2・3億円かかると考えるが、少なくともことし実施する施策の財源は確保できる。いろんな見直しの中で他の事業に迷惑がかからないよう財源を確保していきたい」と強調した。
 このやりとりの中で市木町長は、高校生までの医療費無料化について対象がすべての18歳以下であるとし、空白となっている副町長人事は「まだ時期尚早で、皆さんの声を聞いた中で考えたい」と述べた。