GW前半、大阪へ行く機会があった。お土産を買おうと店屋へ入ると、 「今、一番売れてます」 のポップが目につき、迷わずその商品に決めた。自宅で試食してみると、 「それほどでも...」 というのが感想。味の好みは人それぞれだが、そんなに飛ぶように売れるほどとは感じなかった。
 日本人は流行に影響されやすく、「今、一番売れてます」 などの言葉に弱い。 「ベストセラー」という本の売れ行きをアピールする言葉にしても、どれくらいの期間にどれだけ売れたのかなどの定義はないらしく、本屋や出版社がPRのために使うことが多いとされる。売れているといわれれば買ってみたくなる、心理をうまくついた販売方法。ベストセラーなら、と買って後悔した経験もあるのではないだろうか。お土産にしても、必ずしも「今、売れている」イコール「本当にうまい」ではないだろう。
 景気も同じようなもの。毎日、株高などで「今、景気がよくなってきています」 とあおられれば、そんな気がするし、少しは明るくなる。実際に百貨店では高価なものが売れるようになったとも聞かれる。しかし、ネット調査会社のGW中の消費金額アンケでは前年を下回っていたとの結果も出ていて庶民の生活とは温度差がある模様。やはりまだ庶民の財布のひもは緩んでいないというのが多くの人の実感だと思う。
 なんにしても中身が伴うものは多くの人に長く支持される。お土産はロングヒット、本はロングセラーとなるように。景気も右肩上がりが続くかどうかは今後の政策の中身次第。支持率が高く 「今、大人気」の安倍政権だが、周囲に惑わされないで冷静に政策をみていく必要がある。 (賀)