ガソリン価格が高騰していて、一般家庭の家計を直撃している。 リッター150円前後のガソリンスタンドがほとんどで、 普通車を満タンにしようと思えば大きな出費。 なんとかならないものかと、 価格を記した看板を見るたびに思う。 半面、 ガソリン高騰が思わぬところでいい効果を表している。 ある警察幹部いわく、 ガソリン高騰とともに交通事故件数は減少する傾向にあると。 車での外出を控えることが要因で、 事故件数は交通量の多さに比例する。 車に乗るということはそれだけ危険と隣り合わせにあることを自覚したい。
 警察庁によると、 統計が残る昭和43年以降、 交通死亡事故が発生しなかった日は一日たりともない。昨年1年間、全国での交通死者数は4411人。最も多かった1970年の1万6765人からみれば約4分の1にまで減っているが、一日平均にすると12人余り、実に2時間に一人の割合で交通犠牲者が発生している。 いまも全国のどこかで尊い命が奪われているのかと思うと、 とても人ごとではない。 車やバイク、 自転車を運転する以上、 いつ加害者になってもおかしくないという意識を持つことができるかどうかが、 事故抑止の重要なキーポイントだろう。
 もう一つ、 死亡事故が減少している背景に救急医療の発達が挙げられる。 命を取り留めるケースが多くなったが、 重体の患者が増加傾向にあるという。 交通死者が一人でも減るのはうれしいことだが、 重大事故は相変わらず発生していることを忘れないでほしい。 ケガの程度はあくまで結果論。 15日までの交安運動中、 こんなことをほんの少しでも意識してほしい。 自分や家族のために。(片)