春から初夏にかけてはさまざまなイベントが各地で展開される。特にゴールデンウイークには観光客らの集客を狙った催しが目白押しだ。イベントを通じ、開催地には人・物・情報の集積が生じ、経済的な波及効果やイメージアップ、PR効果につながることが大きなメリットとなる▼しかし、すべて成功する訳ではない。人の集まりが少なかったり、内容に満足してもらえなかったりすることもある。成功か失敗かを判断するのは難しいが、どれだけ魅力ある企画を計画し、それをどれだけ広く伝えるかという情報発信が重要。趣旨を広く訴え、どれだけ多くの人に感動や満足感を与えられるかということがポイントになる。それが主催者側の腕の見せ所で創意工夫が問われる▼みなべ町で13・14日の2日間にわたり、地域おこしを狙った「復活あきんどカーニバル」が大々的に催された。商工会の関係者から「地域を盛り上げ、みなべの魅力を発信しよう」という声が高まり、13年ぶりの開催となった。みなべの食材を使ったみなべん(弁当)コンテスト、一般常識が出題された梅トラクイズ、事業所対抗仮装カラオケ大会など盛りだくさんに展開され、大勢が楽しんだ▼地域の祭りや行事に参加しない人が増えてきているといわれる現代社会。今回のあきんどカーニバルをきっかけに住民同士が一つになって盛り上がり、交流を深めたという意味で大きな意義があったと思う。その力が地域振興につながる。開会式で東邦展実行委員長が「『ご飯を食べるならみなべにいこら』『遊びに行くならみなべにいこら』と言ってもらえるようにしていきたい」と述べた。今後の町づくりに期待したい。
       (雄)