紀南地方では初ガツオのシーズンを迎え、 みなべ町堺の紀州日高漁協南部支所でも連日水揚げ作業でにぎわっている。 県水産試験場によると、 いまのところ豊漁だった昨年よりも少なく、 まとまった量が出始めたのも例年よりも遅いという。5月の連休ごろまで続き、 漁業関係者らは 「これからが本番。 今後に期待したい」 と話している。
 南部支所では3月末ごろからまとまった水揚げ量が出始めたという。 多い日には一日300㌔もとれることもある。 漁師らによると浜値 (価格) は日によって異なり、 通常は㌔当たり500円程度だが、 大きなカツオになるともっと高くなるという。
 カツオ漁は、 擬似餌を船から流して釣り上げる 「ケンケン漁」 と呼ばれる漁法で行われている。 釣り上げたカツオはすぐに締め、 氷水に入れて鮮度を保つ。 同漁港から出港している船は5、 6隻。 明け方に港を出て、 入札が始まる午後4時までに戻る。 漁師歴約20年の小谷哲也さん (50) は 「いまのところはまずまずだが、 昔と比べるとかなり量が減っている」 と話し、 県水産試験場は 「カツオ漁は黒潮の流れと密接な関係がある。 数日前から黒潮が潮岬から遠ざかっているのが気がかりだが、 今後に期待したい」 と話している。   カツオは太平洋の赤道付近でふ化し、 日本付近に北上するころは40㌢程度に成長。 7~8月ごろに三陸沖へと向かう。 今の時期は 「初ガツオ」 と呼ばれ、 三陸沖から南下して秋にとれるカツオは 「戻りガツオ」 と呼ばれる。