燃える氷と呼ばれるメタンハイドレート。紀伊半島沖を含め日本近海の海底に眠る氷のような物質で、環境にやさしい新エネルギーとして注目されている。日本近海には国内エネルギー消費量の100年分のメタンハイドレートが埋蔵されているという説があり、原発問題などを抱える日本のエネルギーの救世主としても期待されている。
 そんな中、今月12日には政府が世界で初めて愛知・三重県沖の海底でメタンハイドレートを分解してガスの採取に成功したと発表。まだまだ掘削、採取コストなど商業化には課題も多いが、着実にエネルギーとしての利用に向け進んでいる。
 国内でのメタンハイドレートは1980年に南海トラフで発見されたが、マスコミなどに取り上げられ新エネルギーとして一般的に知られるようになったのは最近。ところが、日高地方では前からその名前を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。というのは、平成19年、国内第1号の新エネルギーパークとして日高港に整備されたEEパークでメタンハイドレートの燃焼実験を見学できるからである。いまでも燃焼実験が公開されている場所は全国的に少なく、EEパークは、メタンハイドレートのPRに少なからず貢献しているといえそう。
 ならばメタンハイドレートと当地方の縁を生かさない手はない。例えば日高港にメタンハイドレートの研究施設や貯蔵施設を誘致できないか。さらに言うならメタンハイドレートの発電所を建設できれば大きな地域活性化につながる。そういった施設の誘致へ何かいまアクションを起こすときだと思うが、いかがだろうか。(吉)