先日、みなべ町で元プロ野球選手が指導する「読売巨人軍さわやか野球教室」が開かれた。講師は元巨人軍の定岡正二さんと駒田徳広さんの2人。地元の少年野球クラブのメンバーが走塁、打撃、投球などについてみっちりとアドバイスを受けた▼技術的なことなどについて分かりやすく解説。例えば、1塁走者が盗塁を狙う場合、1塁と2塁のベースを結んだ直線上でリードするが、その理由として「線上より後側(ライト方向)だと、投手から見て走者が1塁ベースから大きく離れているように見える。すると、けん制球を受けやすくなる」などと説明。他にも「走者が1塁を駆け抜ける時、ベースを踏んだあと、次の足の歩幅を短くすると実際よりも速く見える。そうすれば審判からセーフと言ってもらいやすい」などと話していた▼筆者は小中学時代に野球部に所属していた程度だが、プロの教え方には「なるほど」と感心させられることが随所にあった。やっぱり、子どもたちに教えるにも「なぜなのか」という理由をきちんと説明しないと、上達につながりにくいのかもしれない。何事も理解した上で行動するのと分からないままで動くのでは、大きな差が出る▼最後に、駒田選手に「今回の教室で一番子どもたちに理解してほしいことは何ですか」と質問すると、「野球の楽しさを知って、もっと好きになってもらうこと」という答えが返ってきた。技術的なこといろいろとあっても「好きこそものの上手なれ」ということが原点になるのだろう。しかし、負けてばかりでは好きになりづらいし、怒られてばかりでは楽しさが分かりづらい。スポーツの指導者にとってそこが最も大切なことなのかもしれない。      (雄)