みなべ町の住民で結成する清川地区里山活用研究会 (石上進会長) は、 薪 (まき) ボイラーをハウス栽培に活用した野菜づくりに取り組んでいる。 一般的に燃料に使用する重油の代わりに、 流木などの廃材を利用するという試み。 コストが抑えられるなどのメリットがあり、 石上会長 (56) は 「いまは試験的に実施している段階だが、 うまくいけば地元で燃料を確保できる」 と話している。
 清川地区は山間部にあり気温が低いことや日照時間が少ないことから、 現在はほとんどハウス栽培が行われていない。 県の 「過疎集落支援総合対策事業」 をきっかけに、 「地元の森林材を活用してハウス栽培に取り組んでいけないか」 と、 昨年末に清川地区の住民7人で研究会を発足。 県の補助を受けて施設整備を進め、 清川住宅近くに薪ボイラーを活用したビニールハウス (面積150平方㍍) を設置した。 ハウス内の土壌に配管を埋め込んで水を通し、 ボイラーの熱で温めるという方法。 燃料は間伐材などの廃材で、 現在は、 おととしの台風12号災害で発生した流木などを活用している。 基本的に、 夜間に3回にわたって燃料を投入し、 地熱を20度程度に保つようにしている。 メリットは重油などの燃料を使用しないため、 低コストで野菜などの栽培ができる。 設置費は約170万円、 ボイラーは約90万円程度。 ホウレンソウ、 ネギ、 インゲンを試験的に栽培しており、 順調に進めば2月ごろには収穫できる。 石上会長は 「灯油を使わないため低コストなうえ、 二酸化炭素の排出も抑えられる」 と話している。