みなべ町西本庄、 須賀神社 (楠本誠二宮司) で元日未明、 たいまつで稲の作柄を予想する火占いがあった。 300年以上前から行われている伝統神事で、 県内でも珍しい。 早生 (わせ)、 中生 (なかて)、 晩生 (おくて) と書かれた3本のたいまつに火をつけて燃え尽きる早さで占い、 ことしは 「晩生が豊作」 と出た。
 火占いは除夜祭、 歳旦祭に続いて午前0時すぎから境内の二の鳥居近くで行われた。 たいまつは直径5㌢、 長さ20㌢の竹と木でつくったもので、 3本並べて設置。 それぞれに 「早生」 「中生」 「晩生」 と書かれた札を取り付けた。 神前で行われた歳旦祭でことし初めてろうそくに灯された火でそれぞれのたいまつに点火し、 一番早く燃え尽きたたいまつが豊作とされる。 責任総代らが一斉に火をつけると、 たいまつは3本とも勢いよく燃え上がった。 初詣の参拝客らは幻想的に燃え上がる火を、 「どれが一番早く燃えるんだろう」 と熱心に見守った。 ことしは晩生が一番早く十数分で燃え尽き、 次は中生、 最後は早生の順だった。
 昔は稲を栽培する時、 吉となる品種を神の占いに委ねて選んでいたとされ、 それが現在にまで引き継がれている。