昨年9月の台風12号以降1年間にわたり、みなべ町西本庄地内の旧国道に架かる西本庄橋が全面通行止めとなっている。すぐ下流に西本庄新橋があるため通行に大きな支障は出ていないが、先の定例議会の一般質問では町の対応を問う声も出ている。小谷芳正町長は「地元と相談したうえで決めたい」としているが、いまのところ明確な方向性は出ていない。
 西本庄橋は延長105㍍、幅員5・4㍍で、幅員2㍍の歩道がある。昭和30年に建設され、築57年が経過。以前から老朽化が指摘されており、4㌧車以上は通行規制がかかっていた。さらに台風12号の影響で橋脚の立っている部分の川底が浸食されるなど安全性が低下、昨年9月から全面通行止めが続いている。このため、現在は平成8年に国道改良の一環で架けられた西本庄新橋が使われているが、西本庄橋は国道の改良が完成した当時に地元住民から「取り壊すと、国道に向かう時に鋭角に曲がる部分があってスムーズな通行ができなくなるため、解体しないでほしい」との声があって残された経緯もある。
 町の説明によると、「もともと老朽化が進んでいた橋で、災害前の状態に復旧するには1億6500万円が必要だが、それでも通行車両の重量規制が必要。耐震補強までするとさらに予算が大規模になる」という。解体するにも約5000万円が必要で、このままの状態で放置しておくと大洪水時に流木などが橋脚にかかり、川の流れを阻害して川の水が堤防を越える原因となる可能性もあるという。町では「今後、地元住民の意見を聞いたうえで対応していきたい」としている。