「スポーツ選手に疲労回復効果がある梅干しを」。県と紀南地方の梅産地で構成する紀州梅の会(真砂充敏会長・田辺市長)は雑誌「ランナーズ」を発行しているアービーズ(東京)と連携し、「ランナー梅干」の開発を始めた。東京都で開かれたマラソン大会では出場選手にアンケート調査も実施し、今後の商品化を目指している。
 梅干しはクエン酸や塩分を補給でき、疲労回復効果や夏場の熱中症対策に有効とされ、「ランナー梅干」を商品化して機能性をスポーツに生かそうと取り組んでいる。商品開発に向け、東京の国立競技場で開かれた「フライデーナイト・リレーマラソン夏大会」会場で出場選手に意識調査を実施。紀州梅の会が提供した白干し、薄塩、ハチミツ、シソ漬け、トマト梅の5種類を用意し、走る前と走った後でそれぞれ食べたい梅干しの味を問う調査を投票形式で行った。会場にブースを設け、出場した約3000人のランナーのうち約2000人がアンケートに協力した。今後も同様のアンケートを実施し、回答内容をまとめて分析するという。県は「いろんなスポーツに合った梅干しを研究し、健康にも美容にもいい梅干しをアスリートに広く知ってもらいたい」と話している。「スポーツに梅」という取り組みは、産地の関係機関でもサッカー日本代表選手や高校野球出場校に梅干しを贈呈するなど行っている。