先日、和高専で開かれた「あなたのパソコン大丈夫?」情報セキュリティ講演会を取材した。講師は内閣官房情報セキュリティセンターの伊貝耕参事官補佐で、サイバー犯罪とはどういったものか、その増加率、法整備などを説明し、被害者にならないために必要なことを訴えた。
 「被害者にならないために」と併せて紹介した「加害者にならないために」も興味深かった。他人のパスワードを盗んだり著作権のある音楽や動画をダウンロードするのはもちろんだが、いまはやっているツイッターなどコミュニケーションを促進するSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)から不祥事とも言える出来事が多く起こっているという。例に挙げられたのは▽スポーツ用品店の社員が来店した有名人の家族について不適切なコメントをし、退社▽ホテル従業員が有名人カップルの来店を報告し、解雇▽カンニングを告白し、退学▽飲酒運転や窃盗を告白し、逮捕など。最近でも、結果的に冗談だったとのことだが、有名飲食店の従業員が料理に汚物を入れたと発言したことがネット上で取り上げられていた。
 カンニングや窃盗などの不正や犯罪はともかく、その他のことはわざわざ公言しなければ、問題になることもなかった。すべての人が見られるということはわかっていながらも、つい仲間内での会話と勘違いしてしまうのだろう。ツイッター等のSNSを利用している人は「送信」ボタンを押す前に、発言が全世界に発信され多くの人の目に触れる可能性があり、記録にも残るということを自覚し、モラルに沿った内容になっているのか、もう一度確認しよう。  (城)