鍬入れ式で着工を祝う二階衆議院議員(左から4人目)ら

 阪和自動車道有田―南紀田辺間(事業区間36・8㌔)の4車線化事業で、2車線のままだった印南IC―南紀田辺IC間(事業区間8・7㌔)の工事が本格的にスタートした。13日には田辺市のガーデンホテルハナヨで着工式が行われ、国会議員や県議、沿線自治体の首長ら約130人が集まり、工事の安全と円滑な進捗を祈願した。

 冒頭、西日本高速道路関西支社の前川秀和代表取締役社長が、1日に発生した能登半島地震の犠牲者を悼みつつ、「南海トラフ巨大地震などの災害に備えた救急や復興活動を支える命の道として、一日も早い完成を目指していきたい」とあいさつ。岸本周平知事も「能登とは同じ半島として条件が似ている。紀伊半島一周高速道路の早い実現を目指したい」と述べた。来賓の二階俊博衆議院議員は「着工から次の展望を描いていけるよう、これからも皆で頑張っていきましょう」と呼びかけた。このほか、玄素彰人県議、三浦源吾御坊市長、日裏勝己印南町長、小谷芳正みなべ町長らも出席した。

 地元からの期待の声としてビデオメッセージが紹介され、JA紀州の芝光洋代表理事組合長や南部高校生徒会などからお祝いの言葉も届けられた。その後は西日本高速道路関西支社和歌山工事事務所の中村誠所長から工事計画の説明があり、最後に関係者が鍬入れを行い、着工を祝った。

 工事はすでに印南IC―みなべIC間(6・5㌔)にある切目川橋、東岩代トンネル、西岩代トンネルなどの建設に向けた準備工事が進められている。みなべIC―南紀田辺IC間(2・2㌔)では設計中のところもあり、完成時期は未定となっている。完成すれば、大阪府松原市から田辺市までの阪和自動車道全線(約110㌔)で4車線化が完了し、輸送時間の短縮、インフラ代替路、地域観光活性化などの機能強化も大きく期待される。