チャンプ本の発表者となった岩城さん㊧と坂口さん

 御坊市立図書館の第5回ビブリオバトル御坊大会が3日、同館で開かれ、12月の県大会に出場するチャンプ本発表者が決定。中学生の部は岩城結(ゆう)さん(河南中1年)、高校生の部は坂口琴音さん(日高中津分校1年)が選ばれた。

 ビブリオバトルは本のプレゼン合戦で、バトラー(発表者)が5分でオススメ本を紹介。最後にオーディエンス(観客)が読みたいと思った本に投票する。今回は、中学生の部は岩城さんと昨年の優勝者川口雅仁君(湯川中3年)、高校生の部は坂口さんと寛座未来さん(日高高3年)の計4人が出場した。

 岩城さんは「ルビンの壺が割れた」(宿野かほる著)を紹介。全編SNSのやりとりによって展開するミステリーで、岩城さんは28年前に婚約していた男女同士の通信であることを明かした上でさまざまな謎を提示し、「魅力は最後の1行。読んでいる途中のモヤモヤがすべてすっきりします」と述べてオーディエンスの興味を引いた。

 坂口さんのオススメ本は「20歳のソウル」(中井由梨子著)。実話に基づく物語で、市立船橋高校野球部の応援曲「市船ソウル」を作曲した浅野大義さんについて書かれている。坂口さんは「私の人生を変えた本を紹介します」と切り出し、20歳で他界した浅野さんの告別式で160人の吹奏楽が演奏される冒頭の場面を紹介。好きな声楽の道に進むのは難しいと諦めていた自身の気持ちが、この本を読むことによって変えられたことを熱を込めて語り、「一歩を踏み出す大切さを教えられた」と述べた。

 県大会は12月17日、県立図書館で開催。ここでチャンプ本に選ばれれば全国大会に出場できる。岩城さんは「子どもの頃からの趣味の読書が、こんな機会に結びついてうれしいです。県大会ではもっと本の魅力をよく伝えられるように頑張ります」、坂口さんは「練習を重ねた成果が発揮できてよかった。改善点も分かったので、県大会ではよりよく表現できるように頑張ります」と張り切っている。

 川口君は「サバイバル謎解きBOOK 恐竜島から脱出せよ!」(小林快次著)、寛座さんは「きのうの影踏み」(辻村深月著)を紹介した。