最近、傘をなくした。どこかに置き忘れたのか、誰かが間違って持っていったのか。新たに購入してもいいが、そのうち見つかったり、戻ってきそうなのでしばらく待っている。物をなくすことは誰しもがあるだろう。そんな中、最近は「忘れ物防止タグ」とも呼ばれるスマートタグが注目されている。

 財布など大切なものに取り付けスマートフォン(スマホ)と連携しておけば、接続が切れた場所が記録されるので、なくした場所の見当がつきやすい。形状はキーフォルダータイプやカードタイプ、シールタイプなど。有効範囲は商品にもよるが30~60㍍で、電池などで動作する。最近になってAppleなどの大手メーカー参入で注目を集めている。

 忘れ物まで管理できるようになるとは、スマホの進化は止まらない。一方で、スマホに頼り過ぎて記憶力の低下などを感じている人もいるだろう。筆者も取材では、これまで予備で使っていたスマホ録音だが、手書きメモが追いつかなくなり、録音がメインになりつつある。音声をリアルタイムで文字にしてくれるアプリもあるようで、そうなれば手書きする必要もなくなってくるだろう。またスケジュールも完全スマホ管理のせいで、ささいな頼まれごとも入力しておかないと忘れるくらいだ。

 スマホが原因で脳機能が低下することを「スマホ脳過労」などと呼ばれる。スマホから文字や映像などの膨大な情報が絶えず流入し続け、情報処理が追いつかなくなり脳が疲労する。単純ミスや物忘れが増えたり、イライラしたり、意欲がわかなくなるという。さまざまな用途がある便利なものなので目的をもって使うのはいいが、理由もなくだらだらと触り続けるのは控えた方がいいだろう。(城)