写真=小谷町長と歓談する輝子さん㊨と澄子さん

 みなべ町晩稲の桐本輝子さん(94)は5日、22年前に自費で出版した絵本「うめの生い立ち」を町に800冊寄贈した。

 公民館の絵本教室に通ったことがきっかけで、「昔の梅干しづくりの手法を子どもや孫たちに伝えたい」と制作。当時に5000冊を製本し、うち800冊が自宅で保管されていた。

 絵本のサイズは縦21㌢、横14㌢で、全14㌻。蛇腹(じゃばら)折りで、広げて読むこともできる。季節ごとの梅農家の作業などが掲載されており、収穫した梅を大きな木のたるに漬ける様子や天日干しの作業風景、地元の南部梅林などを温かみのある挿絵とともに紹介している。

 同日、長女の澄子さん(74)らと一緒に役場町長室を訪れ、「梅のPRに活用してもらえれば」と小谷芳正町長に手渡し、当時の様子を思い出しながら歓談。小谷町長は「全国の小中学校などに梅漬け講習会(出前講座)に行った際、梅干しの歴史を紹介する絵本として活用したい」と話し、桐本さんは「大変ありがたいことです。2階の部屋に眠っていましたが、みんなに見てもらえることで絵本も喜んでいます」と笑顔を見せた。