地域と学校が連携し、地域全体で子どもを育成している活動をたたえる文部科学省の地域学校協働活動文部科学大臣表彰の受賞者が決まり、日高地方ではみなべ町清川小学校(久保井登美校長)と地域が連携した取り組みが選ばれた。清川を考える会と学校が密接に連携し、合同運動会の開催や、年間を通して地域住民がゲストティーチャーとなってさまざまな体験教室を行っており、学校を核とした地域づくりが評価された。

 地域全体で未来を担う子どもの成長を支え、地域を創生する活動のうち他の模範となる活動に文部科学大臣表彰を行っている。今年度は清川地域を含めて県内で4地域が選ばれた。表彰式は今月25日に行われ、オンラインで出席する。

 清川地区では、児童数が減少する中、公民館を中心に学校、区長会、保護者、青年団、母親クラブ、老人クラブ等の代表者が集まって1993年、「清川を考える会」が発足。複式学級解消に向けた取り組み、夜間パトロールを中心にした健全育成活動、廃ビニールを拠点回収する環境美化奉仕など幅広い活動を今も続けている。

 考える会と学校が密接に連携することで、少ない児童数(16人)でも充実した学習や体験を実現。考える会メンバーを中心に地域住民が講師を務め、年間を通して梅干し作り、茶摘みと製茶体験、こんにゃく作り、清川球場でのチューリップの球根植栽、通学合宿など特色のある特別授業が展開されている。また、児童数減少に伴い運動会の単独開催が難しくなったことから、考える会で検討を重ね、2019年にはこれまで70年続けてきた区民運動会との合同運動会として開催、大いに盛り上がった。

 久保井校長は「地域に愛される体験は子どもたちの力になっているし、子どもの活動によって地域の皆さんが集まってくれ、互いに元気になっている。まさに地域がもらった表彰。これからも学校を中心に地域が元気になれるよう取り組んでいきたい」と日ごろの支援に感謝。考える会の発足当時からメンバーの寺谷崇・清川公民館長(71)は「清川は学校とのつながりが深く、当たり前のことをしているだけ。先生も積極的にかかわってくれ、これからも今まで通りやっていきたい」。学校運営協議会長の池田拓也PTA会長(43)は「地域の皆さんが積み上げてきてくれたことと、いい先生に恵まれた。保護者としてもうれしい」、考える会の中本エミ子会長は「これからも学校と地域が一つになってさまざまな活動を続けていきたい」と話している。

写真=地域住民と児童が一緒にチューリップの球根を植えた