2021年が始まった。今年は50音別電話帳「ハローページ」の発行が終わる。NTT西日本とNTT東日本が昨年、配布数・掲載数の大きな減少によって、21年10月以降に発行・配布するものを最終版にすると発表。日本で初めて電話帳が発行された1890年以来、130年の歴史に幕を閉じる。

 スマートフォンやSNSの普及で役割を終えたと言えばそれまでだが、ネット上には「お疲れさま」と惜しむ声も。筆者も新聞記者になって以来、表彰を受ける人への取材のアポ取りだったり、選挙に立候補がうわさされる人への裏取りだったり、何度もお世話になった。ときには名前が載っておらず、その辺だろう住所の同じ苗字の家に手当たり次第に電話をかけ、「〇〇さんのお宅ですか」「〇〇さんって、ご存じないでしょうか」と尋ねたこともある。

 NTT東西の発表によると、スマートフォンの普及等に伴って固定電話の利用が減ったほか、個人情報保護に関する社会的意識が高まり、電話帳そのものの需要が激減したことが廃止の理由。20年の発行部数は119万部で、ピークだった05年の6500万部と比べて約1・9%にまで落ち込んだ。NTT東西のホームページによると、日本で初めて電話帳が発行されたのは1890年。「電話加入者人名表」という197人の電話番号と名前が掲載された1枚の紙だったそう。

 時代とともに生活や考え方は変わる。そしてコロナにより生活様式だけでなく仕事の仕方も大きく変化。しかし「一筆同心」「公平無私」という私たちの社是は変わらない。今年のテーマは「リードローカル」。変化に順応しながら、読者の皆さん、地域のために頑張りたい。    (笑)