近畿地方も10日に梅雨入りした。もともと雨は嫌いな方ではなかったが、日高川が増水し、日高川町などで甚大な被害が出た2011年9月の台風12号豪雨災害以来、大雨が降ると怖さを感じる。近年は雨の降り方が尋常でないことが多くなり、昨年は千葉県などでの大雨被害、一昨年は西日本豪雨と、毎年のように全国各地で被害が出ている。これからの季節は梅雨前線に伴う大雨や台風だけでなく、活発な雨雲が停滞する線状降水帯、急速に発達する爆弾低気圧とひと昔は聞いたこともなかった脅威がどこでも発生する可能性があることを認識しておきたい。

 感染者が落ち着いてきているといっても、油断できないコロナ禍での災害シーズン。各自治体は感染を防ぐために3密の回避、消毒液やマスクの備蓄など避難所運営の在り方を検討し、準備を整えつつある。避難する側はどうか。コロナ禍が心理的に避難をためらわせる要因となる可能性もある。考え出すときりはないし、最善は何かはっきりと答えられないが、当然命を守る行動が最優先されるべき。自分の住む場所が浸水の恐れがあるならば、早めの避難を心がけ、今のうちから準備しておいてほしい。

 もう一つ心配なのは、自然災害のスポーツへの影響。日本高野連はセンバツの代替試合として、出場予定だった32校を招待して8月甲子園で交流試合を行うことを決めた。他競技でも中止となった高校総体の代わりに都道府県での成果発表の場が検討されている。スポーツの世界は暗闇からようやく小さな光が差し込み始めた。子どもたちの希望を天候が邪魔しませんように、自然災害が起こらないよう、特に今年は心から願う。(片)