みなべ町議会は24日、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策や不安を少しでも軽減することを目的に、町民や各種団体から吸い上げた意見をもとに町に対して申し入れを行った。住民へのマスク供給や1カ月後から始まる梅収穫時の働き手の受け入れ対策、プレミアム付き商品券の発行など11項目を要望。小谷芳正町長は町幹部らでつくる対策本部で検討していくとした。

 町議会では総務文教と産業建設の各常任委員会に分かれて所管する団体や町民からコロナ対策についての要望事項を聞き取り、意見を申し入れ書として反映した。

 町議会の下村勤議長、玉井伸幸副議長が町長室を訪ねて小谷町長に手渡し、要望事項について一つひとつ説明。感染予防の拡充では▽住民へのマスク供給▽梅採り時の働き手の受け入れ対策▽県外からの流入者への対策――の3点を求めた。

 マスクは品薄で入手が難しくなっており、「町の大量購入などにより、少なくとも住民1人当たり10枚ずつ程度行き渡る施策を」とし、購入が可能な企業も一例として紹介した。梅採りは町外から多くの働き手を受け入れることになり、感染リスクが高まることも予想されることから、感染予防対策のため、「町が注意事項やガイドラインを設けて農家へ周知を図ってほしい」。県外からの流入者対策は、人が訪れそうな場所での規制などの措置を要望している。

 町の危機管理では、感染者が出た田辺市での対応を学ぶなどして準備を整えることや、感染者が出た際でも周囲から心ない言動が出ないよう啓発するよう要望。今後に向けては、住民や事業者への経済的影響の対応として、プレミアム付き商品券の発行や各種団体等の声に耳を傾けて施策の実施につなげていってほしいとした。

 各課への申し入れとして、町内各地の公衆トイレ衛生管理、梅の消費に影響しないよう梅の機能性等の積極的なPRなども求め、下村議長は「早急な検討をお願いします」と話した。小谷町長はマスクを購入した場合の3密を避ける配布方法、商品券発行の場合の商工会との連携などよりよい方法を下村議長、玉井副議長と意見交換した上で、「申し入れは対策本部でしっかり検討し、できることから取り組んでいきたい」とした。

写真=小谷町長に説明する下村議長㊨と玉井副議長㊥