みなべ町は、今シーズンのアカウミガメの上陸・産卵回数をまとめた。産卵は47回にとどまり、統計が残る1981年以降で3番目に少なかった。

 同町山内地内の千里の浜は本州最大の産卵地として有名で、NPO日本ウミガメ協議会、学生ボランティア、地元みなべ町の有志でつくるウミガメ研究班などが調査と保護活動を行っている。みなべ町は「ウミガメ保護条例」を制定している。

 町によると、ことしの上陸回数は85回。初上陸は5月18日、初産卵は5月28日だった。近年の産卵回数をみると、2012年は293回、翌13年も291回と多かったが、14年は139回と半減、15年には82回と2ケタになった。16年は122回、17年は127回と100回を超えたが、18年は59回に激減。今年はさらに少なかった。最も多かったのは1991年の348回で、最も少なかったのは98年の29回。

 日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長によると、アカウミガメはふ化して海で成長し、再び産卵に戻ってくるまで約40年。産卵回数が減少したのはさまざまな要因があるが、「産卵に来ている個体の親世代の数が少なかったのでは」と話している。