学生時代、マージャンに没頭した時期があった。暇さえあれば、仲間を集めて時間を忘れて楽しんだ。夜から友達の家で始め、最初は「日付が変わる前に止めよう」と打ち合わせしていても、その約束はほとんど守られない。終了となるのは太陽が上がり始めて周囲が薄明るくなってくることが1つの合図だ。だが、それさえ無視し、続けたこともしばしばだった。

 しかし、近年はマージャンから遠ざかっている。もう何年も牌を握っていない。その大きな理由は、ずるずると続けてしまうことが体力的にかなりきつくなったことだ。次の日に疲れが残ってしまい、仕事にも影響してしまう。加えてメンバーにタバコを吸う人がいれば、部屋中に嫌な煙が充満することもある。マージャンは健康的ではなく、中年となってしまったいまでは、その環境には絶えづらくなった。

 しかし、最近は健康マージャンなるものが高齢者の間でちょっとしたブームとなっているようだ。「お金を賭けない」「酒を飲まない」「タバコを吸わない」という3つがモットーで、ねんりんピック正式種目にも登録されている。指先を使って牌を扱い、仲間同士と交流できることが脳に良く、認知症予防としても効果があるという。来年11月に県で開かれる「ねんりんピック紀の国わかやま2019」では、御坊市が健康マージャンの会場となる。当地方で一層の普及につながるのではないだろうか。

 最近はマージャンを敬遠するようになった筆者だが、健康マージャンなら嫌な面が随分と解消される。機会があれば学生時代に没頭したことを思い出しながら楽しんでみたいものだ。最近は物忘れがひどくなったと感じることが多いが、それも幾分和らぐかもしれない。(雄)