来年10月の消費税10%引き上げまで、あと1年となった。思い返せば1989年(平成元年)に初めて消費税が3%で導入され、当時学生だった筆者にとっては高い買い物をするわけでもなく、100円のお菓子が103円になるぐらいで大した影響もないように感じていたが、その後、97年に5%となり、2014年には8%。そしていよいよ10%の大台に乗る。

 社会人となって大きな買い物をしたり、家庭の食材を買ったりもするが、安月給にとって消費税の負担は結構大きい。仮に1万円分の食材をまとめ買いしたとすれば、1割の1000円が持っていかれる。1000円と言えば安いチリ産ワインなら2本買えるし、ことしは豊漁で価格が安いサンマなら少なくとも5、6本はいけるだろう。

 そんな消費税の負担を少しでも抑えようと、今回の増税時には軽減税率制度が導入される。対象となる商品は消費税が8%のまま据え置かれる仕組み。どうせならもっと引き下げてほしいが、まあまだまし。ところが軽減税率の対象となる品目が細かに決められているため、非常にややこしい。

 例えば、牛丼屋やハンバーガー店のテイクアウトは対象となるが、店内での飲食は対象外。みりん風調味料は対象だが、アルコール度数1度以上の本みりんは酒類になるため対象外。エナジードリンクは対象だが、栄養ドリンク(医薬部外品)は対象外など。軽減税率は納税コストや煩雑さ、軽減税率による税収減などから欧州では廃止の動きがあるが、とりあえず消費者は、対象品目などをよく知らないと損をすることになる。まだ1年あるので、しっかり勉強して賢い消費者になろう。(吉)