御坊市議会防災・減災対策特別委員会(向井孝行委員長)が18日に開かれ、8月23日から24日にかけての台風20号で藤井グラウンドが冠水したことについて、椿山ダムの放流の仕方を疑問視する声が相次いだ。委員からはダムの操作規則の見直しや、当日の放流が適切だったのかのデータの確認を求める意見が集中。藤井グラウンドの県としての位置づけも含めて、対策を強く要望していくことにした。

 委員会では台風20号と21号の市内での被害について執行部から説明を受け、今後の対策等について活発に意見を出し合った。

 20号被害では、藤井グラウンドの冠水について意見が集中。「アメダスで降水量の予測をしながら放流しているはずで、(台風通過後に)雨が入ってこないことが予想できるのに、なぜあれだけの放流をしなければならなかったのか疑問。下流にグラウンドがあるのを知っていて、県も設備被害をなくしたいはずで、そういう意味でも解せない。今までで一番悪い放流だと思う」「藤井グラウンドを認可したのは県で、復旧に御坊市に一部負担させるのはおかしい。県が責任を担保するか、(できないなら)グラウンドを撤去しなさいと市に指導するしかないのでは。県はどのように考えているのか」「上流から大量のバラスが流され、野口橋付近にかなり堆積していることを認識しているのか。ダムができる前はこの一帯は浸かったことがなかった。人為的災害と言わざるを得ない」と強い口調で県の姿勢や市執行部の認識のあり方をただした。執行部は「急激な流入量の増加で難しかった部分もあったと思う。操作規定に準じた放流と聞いており、どのような放流をするかは現場での判断だが、多少甘かったかなという思いはある」との認識を示し、「今後も県に強く要望していく」とした。

 委員からは「操作規定はあっても、(グラウンドが浸かるということは我々にとっては)毎回失敗しているということ。野口と藤井の堤防を強化してスーパー堤防化し、藤井グラウンド自体をかさ上げするしか方法はない。ダムのあり方も含めてしっかり考えなければならない」「アメダスの予測による適切な放流量と、実際の放流量が一致するか県にデータの確認をしてもらう必要がある」「市がもっと強く県に要望しなければならない」など度重なる冠水被害の改善へ、県の姿勢をあらためて問うていくことを確認した。