地域の暮らしの安全や産業振興等に大きな功績のあった人をたたえる県知事表彰の受賞者が決まり、ことしは県全体で45人と7団体、日高地方からは保健福祉分野で御坊市の民生・児童委員酒本紀美子氏(69)=島=、建設業分野で印南町の朝間諭氏(87)=印南=ら7人が選ばれた。表彰式は30日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で行われる。
 日高地方の受賞者は、保健福祉で御坊市民生・児童委員の酒本氏、同じく保健福祉で県障害児者父母の会連合会副会長の栁岡楠美氏(82)=御坊市薗=、調査統計で日高川町のの鳥居守氏(66)=土生=、防火・防災で県電気工事工業組合理事長の狩谷典男氏(66)=御坊市藤田町藤井=、農林業で美浜町の狩谷実男氏(66)=和田=、建設業で印南町の朝間氏、同じく建設業で御坊市の佐藤和夫氏(68)=湯川町小松原=。
 酒本氏は昭和60年9月に民生・児童委員となり、現在まで30年以上にわたり地域の福祉向上に貢献。平成8年1月から23年7月までは市社会福祉協議会評議員、現在は同理事を務めている。
 栁岡氏は現在、県障害児者父母の会連合会の副会長、市障害児者父母の会会長。平成16年からは社会福祉法人太陽福祉会の監事を務めており、精神障害者グループホーム事業の推進に尽力した。
 鳥居氏は昭和56年から工業統計、商工業実態基本調査、経済センサス等の産業関係調査に従事。国政調査の指導員も務めるなど、強い責任感を持って統計調査の推進に大きく貢献した。
 狩谷典男氏は県電気工事工業組合の役員として、台風12号豪雨を契機とした関西電力との災害時の設備調査等の協力協定締結に尽力。県消防設備保守協会副理事長としても、電気工事の観点から防火・防災技術の普及に寄与した。
 狩谷実男氏は長年、町農業委員会の委員、会長として、優良農地の維持を目的に農地の流動化、遊休農地の解消など円滑な土地利用を推進。煙樹ケ浜の松葉堆肥を活用した「松きゅうり」ブランドの確立にも貢献した。
 朝間氏は平成5年から一般社団法人県営繕協会の役員として、会員の技術向上に貢献。県工事の成績評定や入札指名基準の策定に取り組み、現在の制度の基礎をつくった。また、県と協会との大規模災害時における応急対策業務協定の締結にも力を注いだ。
 佐藤氏は一般社団法人県建築士事務所協会副会長として、まちづくり協議会の設立に尽力し、研修会の講師を務めるなど会員の技術・資質向上に貢献した。県内トップの建築設計事務所、㈱岡本設計の取締役副社長として、多くの公共施設の設計等を手がけた。