「書の甲子園」として知られる第25回国際高校生選抜書展審査が行われ、日高地方から藤川未帆さん(紀央館高2年)、稲葉有咲さん(日高高2年)の作品が入選した。国内外の高校生が腕を競う大会で、毎年1万点以上が応募。今回は国内のほか19の国・地域から1万6836点の応募があった。入賞・入選作品は来年1月31日から2月5日まで、大阪市美術館で展示される。
 藤川さんの作品は「居延漢簡」。前漢~後漢時代の木簡書で、歴史資料としてだけではなく書作品としても珍重されている。流れるような「はらい」が特徴の隷書(れいしょ)。藤川さんは「夏休み期間中に取り組みました。まっすぐに美しく書くのが難しく、太い線と細い線のメリハリをもっとつけたかったです。賞をもらえるとは思っていなかったので驚きました。とてもうれしいです」と喜んでいる。指導の石田真弓教諭は「よく書けていると思います。2年生になって急に伸びてきたので、これからが楽しみです」と評価している。
 稲葉さんは、清末期から近代にかけて活躍した書家・画家の呉昌碩の詩「寿蘇詞」を書いた。行草書体で力強い線の書。稲葉さんは「強い線を書くのが好きなので、この書を選びました。字の大きさをそろえるのに苦労しましたが、入選できてうれしいです。部活もあと半年ですが、頑張っていきます」と笑顔で話している。指導の田ノ岡大雄教諭は「個性を生かした力強い作品になっていると思います」と評価している。
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藤川さんの入選作品
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稲葉さんの入選作品