御坊市は16日、8月に徴収した介護保険料のうち、543人分で過誤納があったことを明らかにした。同日開いた市議会全員協議会で議員に説明した。年金から差し引いて徴収する際、日本年金機構に送信したデータに誤りがあったのが原因。説明した介護福祉課職員は「人為的ミス」とし、再発防止を徹底するとともに、還付や再度の徴収が必要となることから市民に対して早急に理解と協力を求めていく。
米倉守市民部長は冒頭、「多くの市民の方に迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。二度と起こらないよう対策を講じます」と陳謝した。
 介護福祉課の説明によると、2カ月に1回徴収する介護保険料はこれまで、4、6、8月徴収分は前年度の所得に応じた金額を仮徴収し、所得額決定(おおむね6月ごろ)後の10、12、2月の3期で差額分を調整していた。ただ、3期で調整すると1期当たりの負担額が高くなることから、少しでも1期分の負担額を減らそうと、差額分は8、10、12、2月の4期に分けて調整する取り組みを昨年度からスタートさせた。市では、対象者6600人のうち差額調整額が6000円を超える543人を抽出し、8月から保険料額を変更するデータを作成。介護福祉課のシステムではすべて変更できていたが、日本年金機構に送信したデータに、543人分の徴収額の変更を入力(抽出処理)できておらず、今回の過誤納が発生した。内訳は払いすぎて還付する人が301人(総額306万4100円)、あらためて徴収しなければならない人は242人(総額252万4000円)。追加徴収額の最高額は2万5900円になるという。
 同課では「抽出処理のボタンをクリックできていなかったのが原因で、人為的なミス。常に職員2人以上でチェックしていたが、見落としてしまった」と説明し、対象者全員に早急に対応していく考えを示した。
 議員からは「こうなってしまったことは仕方がない。払いすぎた人に還付するのは難しくないが、あらためて徴収する人に理解を求めるのは大変な作業。信頼を得るためにも早急に対応してほしい」「還付金詐欺が横行している中で、慎重で丁寧な対応が求められることを認識しなればならない」などの意見が相次いだ。
 市と御坊署では便乗した詐欺を危惧しており、ともに密接に連携して被害防止に努めるとし「市役所の職員がATMの操作や携帯番号、口座番号を聞くようなことは絶対にありません。介護保険料に関して電話やメールなど少しでも不審なことがあればすぐに連絡してください」と呼びかけている。問い合わせは市介護福祉課℡0738-23-5851、御坊署℡073-23-0110。