先月30、31の両日、埼玉県和光市で行われた日本最大級の鍋料理コンテスト「ニッポン全国鍋グランプリ2016」で、初参戦した日高町九絵の町づくり推進実行委員会(山田理司委員長)の「本場天然クエ鍋」が、見事銅の鍋賞(3位)を受賞したのは既報の通り。名実ともに天然クエのおいしさが認められたわけで、全国発信する素晴らしい機会となった。
 会場では全国の自慢の鍋の59チームがブースを構えたが、いきなり順番待ちの長蛇の列ができたのはクエ鍋のブースだけ。筆者も大好きなクエだが、それにしてもどうしてあれほどまでの大人気となったのか。来場者らに聞くと、実は関東方面でもクエ鍋の店があり、クエの名はある程度浸透しているらしいが、1人前の鍋だけで価格が1万5000円程度とかなり高級。まさに普段食べられない〝幻の高級魚〟であり、それが1杯500円で味見できるというので、爆発的な人気となったようだ。しかも食べた人からは、本場の味に大絶賛で、来場者の集票につながった。また、クエは知っていても、「和歌山県の日高町」を知らなかった人も多く、大いに町のPRにもなった。
 惜しまれるのは、高級魚ゆえに材料が1000人前限定となってしまったこと。これがもし2000人前、3000人前を用意していれば、十分優勝を狙えていただろう。今後の取り組みに関係者が一層団結を強めるとともに、地元ブランドの発信へ県などのバックアップもほしいところ。今回の入賞、そして「J-ブランド鍋」の認定で、全国の大舞台で泳ぎ始めた日高町のクエが、さらなる地域活性化の起爆剤になることを期待している。 (吉)