みなべ町を流れる2級河川の古川が、平成26年度の水質調査で生物化学的酸素要求量(BOD)の数値が環境基準(3㍉㌘/㍑)を上回る7・2㍉㌘/㍑だったことが分かった。平成18年度には全国の河川調査でワースト1になったこともあるが、その後は水質が徐々に改善。平成25年度は環境基準をクリアしたが、今回は再び上回る結果となった。
古川は同町晩稲地内の大谷池などを水源とし、東吉田や気佐藤などを通って下流域の南部川と合流する。延長は約4・5㌔。流れが緩やかなうえ水量が少ないことから浄化能力が低く、流域の家庭や事業所などからの排水が河川の汚れにつながっているとみられる。
 県では基本的に偶数月に加えて7月(夏場)と1月(冬場)の年8回にわたって水質調査を実施。データの中で悪い方から75%に当たる数値を採用する年間統計値「75%水質値」で過去のデータをみると、全国ワースト1を記録した平成18年度は28㍉㌘/㍑と最も数値が高かったが、その後は改善傾向で19年度が16㍉㌘/㍑、20年度が8・1㍉㌘/㍑、21年度が4・3㍉㌘/㍑、22年度が7・3㍉㌘/㍑、23年度が8・3㍉㌘/㍑、24年度が4・3㍉㌘/㍑となっていた。25年度については環境基準の3㍉㌘/㍑をクリアする2・5㍉㌘/㍑まで低下していたが、26年度は7・2㍉㌘/㍑に増加。再び環境基準を上回った。
 県では水質改善へ流域の事業所への立ち入り調査などを実施しているが、「小さな川で水量も少ないためデータにばらつきがある。18年度からは改善傾向だったが、再び基準を上回った。クリアできるよう取り組みたい」と話している。数値結果は、環境省が調査した全国約2600河川のうち上位と下位それぞれ5番目までを毎年公表しており、古川は平成18年度にワースト1、22年度にワースト2、17年度にワースト5に入ったことがある。