日高地方の官公庁で28日、一斉に仕事納め式が行われ、首長の訓示などで一年を締めくくった。来年の首長選で現職と新人の一騎打ちの戦いが濃厚となっている印南町(2月2日告示、7日投開票)、現職独走ムードの由良町(4月19日告示、24日投開票)、波乱含みの御坊市(5月)では、3首長がそれぞれの思いを胸に秘め、職員の労をねぎらうとともに、自身の〝関門〟突破へ決意をみなぎらせていた。
 印南町 日裏勝己町長は町公民館で職員ら約80人を前に「記念に残る事業が多かった」と一年を振り返り、切目川ダムの完成、国体の開催、新庁舎建設の着手に触れて「いずれも生涯二度と出会うことのない事業。職員の皆さんが一丸となって積み上げた結果です」と感謝。「いまの地方創生、これからの印南町の進むべき方向を計画するなか、私たち町民にとってもこの数年はある意味大きな勝負のとき。住民の皆さんに少しでも幸せになってもらえるよう知恵を出し合って取り組んでいきたい」と一層の協力を求め、「私に与えられた任期最後の年末。次の任期についても再度、皆さんと一緒に仕事ができるよう〝関門〟を突破し、精いっぱい頑張ります」と力を込めた。
 由良町 役場で職員ら約70人を前に畑中雅央町長は「国や海外ではテロや難民の問題などあまりよいニュースはなかったが、由良町では大過なく、比較的平穏な1年だった。職員も大きな事故や病気がなく、住民福祉の増進に頑張っていただいた。その努力に心から感謝したい」とねぎらった上で、「サラリーマン生活の中で健康維持は大変だが、飲酒や食べ物など自分自身をセーブすることも大切。十分な睡眠もとって、自身の健康管理を徹底した中で、仕事に臨んでほしい。正月休みは公務員の中で一番長い休暇。酒を飲んだり外へ出る機会が増えると思うが、交通事故などに十分留意して、家族そろって新年を迎えられるように」と締めくくった。
 御坊市 職員約100人を前に柏木征夫市長はことし1年間の行事を振り返った上で「市民との協働のまちづくりを、皆さんが模範となって実践していただき、住民からの評判もよかった」とねぎらった。人口約3万人のアメリカのモントレー市は毎月さまざまなイベントを開催しており、大勢のボランティアが集まって運営し、観光客獲得に成功していることを紹介し、「年明けから御坊市は、将来の人口ビジョン実現へ向けたまち、ひと、しごと総合戦略の策定が正念場を迎える。モントレー市のように『ひとひねり』することが大切で、地方創生へ気合をいれて取り組んでいこう」と力を込めてあいさつした。西本和明市議長も職員を激励した。