ことしは5年に一度の国勢調査の実施年。全国的に調査員を装って家族構成等を聞き出そうとする「かたり調査」の発生が報告されているなか、御坊市内でも4月末から今月4日にかけて、2件のかたり事案が発生した。1件は女性宅に電話で、もう1件は男性宅に国勢調査官を名乗る男が2回訪問。いずれも個人情報を聞き出されることはなかったが、県と同市が同様のかたり調査に注意を呼びかけている。
 御坊市の国勢調査実施本部によると、女性宅に不審な電話があったのは今月4日。相手は発信元番号非通知設定で「国勢調査官」を名乗り、怪しいと思った女性は具体的な質問をされる前に電話を切ろうとすると、「切ってもいいんですか」などと脅しに近い口調で迫られたという。
 もう1件の標的となったのは野口に住む男性で、4月末と5月末の2回、国勢調査の下調べとして男が訪問してきた。男は2回とも同じ人物で、見た目の年齢は65歳ぐらい。いずれも平日の午後2時ごろに訪れ、首から調査員証のような名札をぶら下げ、名簿のようなものを持って回っていたという。
 御坊市は今回、市内全体で121人の委託調査員を動員し、調査は原則、訪問のうえ面談で実施。10月1日現在の調査を前に、インターネットのオンライン回答用のIDや操作ガイドを示した用紙を9月10日ごろから全戸配布する。調査員の訪問時期はこのオンライン回答説明用紙の配布が最初となるため、現時点で調査員が家庭を訪問することはなく、電話は調査用紙を回収後に記入漏れがあり、訪問しても留守が続いた場合にかけることはあるが、その際も電話が非通知だったり、名前を告げないことは絶対にない。
 県と御坊市実施本部は「現在、電話による問い合わせや家庭訪問は行っていません。国勢調査をかたる不審な調査にはいっさい答えず、県庁調査統計課(℡073―441―2385)か御坊市実施本部(企画課℡0738-23-5518)までご連絡ください」としている。