高校生美術展の最高峰の一つの第16回高校生国際美術展で、紀央館3年生の花尻佳奈さんの作品が、全1794点の中から上位10番目の報知新聞社賞に輝いた。同校3年の塩谷悠斗君、2年の岡田奈津実さんの作品も奨励賞に選ばれた。
 美術展は東京芸術大学の名誉教授らが審査員を務め、内閣総理大臣賞など各1点ずつ14の特別賞と、優秀賞5点、秀作賞11点、奨励賞百十数点が選ばれた。
 花尻さんの作品のタイトルは「美術制作室」。自身が普段活動している美術部の部室をテーマに、テーブルの上に鳥のはく製やつぼ、ボトル、バスケットなどが無造作に並べられている様子を描いた。絵の具は重ね塗りしてもにじまないアクリル絵の具を使用し、繊細な筆遣いで各オブジェクトに細かい模様を描いていった。日常的な風景を描いているため、色が目立たないようモノクロベースで仕上げた。昨年秋から取りかかり約4カ月を費やした大作。受賞に「信じられず驚いていますが、とてもうれしいです」と喜んでいる。
 塩谷君は日高港湾で撮影したクレーン船の写真を、得意の建築の知識を生かしてキャンバスに油絵で精密に再現した「船上」、岡田さんは初の油絵ながらも、さまざまな種類の大工道具を丁寧に描いた「祖父の仕事道具」でそれぞれ受賞した。
 作品は24日から7月5日まで東京都港区の国立新美術館で展示。花尻さんは27日にザ・リッツ・カールトン東京(東京都港区)で開かれる表彰式にも出席する。