任期満了に伴う日高町議選は3日に告示され、定数11に対して予想通り現職7、新人6の13氏が立候補。8日の投開票へ向け、2人超過の少数激戦で5日間の舌戦が始まった。昨年5月の補欠選で無投票当選の現職2氏を含む8氏が初の選挙戦という異例の議席争い。前哨戦では新人数人がトップの勢い、現新4、5人が当落線上とみられたが、勝負はこれからが本番。多くの候補者は寒さ厳しい中も出陣式で熱のこもった第一声を放ち、街宣に飛び出していった。
 立候補の届け出受け付けは午前8時半から中央公民館2階大会議室であり、各陣営の運動員らは次々と手続きを済ませて事務所へとんぼ返りした。出陣式を行った陣営では候補者が支持者らを前にたすきをかけてマイクを握り、公約や決意、支持拡大をあらためて訴え、すぐに街宣車に飛び乗って町内各地へ「お願い」に向かった。
 今回の町議選は、防災対策をはじめ鳥獣害対策、高齢者の外出支援、教育の充実など各候補者で共通の訴えが多く、目立った争点はないまま本番へ突入。有権者の関心は「泣く2人は誰か」の一点に集まっている。前哨戦は内原地域の大票田の地元に支持を広げる新人と、志賀地域で若手運動員が精力的に動いている新人がトップをうかがうムード。中堅・ベテラン勢は安定した戦いぶりを見せ、地盤が小さい、または血縁が少ない、地元の競合が激しいなどの現新4、5人がやや劣勢を強いられているもよう。ただ、前回選挙時から引退、落選票が3000票余りもあるとみられ、各陣営とも「読みにくい選挙」と口をそろえている。さらに20代の新たな有権者、アパートや新興住宅への移住者の票が数百票はあり、今後の取り込みしだいで戦況が一変する可能性も残されている。まだ勝負は始まったばかりで予断を許さない状況だ。