みなべ町清川地区で平成23年度から県の補助を受けながら取り組んできた過疎対策事業が、昨年度で終了した。これに伴い、地元住民で結成していた寄合会(中本エミ子会長)も解散。先日最後の会合が開かれ、3年間を振り返った。
 清川で行われた過疎対策事業は住民が考えた地域活性化計画を基本に実施するという内容で、青空市の「きよかわ市」で地域の農産物などが販売されたり、鳥獣害対策ではサルを捕獲する囲いわなを設置したりするなどの各種事業が展開された。PR事業では、公民館前に看板が設置されたし、農業関係では梅の新品種「露茜」の産地化も進めてきた。
 寄合会関係者を対象に行ったアンケート調査では、有効回答者25人のうち24人が「地域の再生・活性化につながった」と答えた。これから判断すると過疎対策事業は大成功と言えるだろう。しかし回答者の中で1人だけ、「3年の期間だけでは判断できない」ということから「どちらでもない」という回答もあった。もともと地域振興は3年という短いスパンでやり遂げるというのはかなり難しく、少数意見だが、筆者もこの「どちらでもない」という回答に同感だ。
 物事は一朝一夕に進まず、継続することで大きな結果を出すこともある。地域の活性化もその一つだろう。今後も地元の熱意ある取り組みが欠かせないのは言うまでもない。しかし、この事業が行われたことで、今まで手をつけていなかった課題にも取り組み始めたのは事実だ。本格的な地域の振興に向けて力強いスタートを切ったのは間違いなく、それは大きな成果といえるだろう。今後の成り行きを見守りたい。 (雄)